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どんぐりの目

更新日:9月23日

朝起きて、パンを準備する。5gずつにされたバターをバターケースからとりだして、ちぎって冷凍パンに配置するのが日課である。毎回いい顔ができるので、うれしい。焼けたら、イチゴジャムを塗る。


今日は文学フリマ札幌がある。夫である辻さんが窓辺歌会の冊子と自分の日記(辻々の辻)を売りに行く。「この服でいいかな?」と無難なポロシャツを着ていたので、そういうときはこれだろと枡野浩一さんの短歌Tシャツを手渡す。前面に大きく

好きだった雨、雨だったあのころの日々、あのころの日々だった君

がプリントされている。自分用に買ったものなので首周りが少しパツパツ。


私は家に残り、長男次男氏と過ごす。これもひとつの文学フリマへの参加(貢献?)のような気分になる。雑に作ったスパゲッティを食べ、大きな公園までどんぐりを拾いに行く。母→亡くなった祖父→長男と3世代に引き継がれたiPhone7のGoogleマップが公園までの道を教えてくれる。長男氏の自転車にはスマホスタンド装備があるので、どこへでもいけるのだ。私は彼の背中をひたすら追いかければいい。次男と私が乗った自転車もまた電動アシスト付きだから、どこにだって行けるのである。


途中コンビニでぷっちょとジュースを補給。迷うことなく公園についた。遊具でひとしきり遊んで、近くの神社でおみくじを引く。次男氏(4歳)に「ここには神様がいるんだよ」と教えたら動きが慎重になった。彼なりの丁寧さで二礼二拍手一礼をしていた。いつも行くスーパーでは突然好きな方向に走り出し、近づく人々に話しかけまくる人間が、こんなにもゆっくり動いている。神社に漂う緊張を感じ取って表現できること、すごいと思った。


その後レッドオーク(アカガシワ)のどんぐりを拾いまくる。とにかく大きくて立派なのだ。しかもこの公園はレッドオークだらけなので価値が大暴落! そこらじゅうに転がりまくっている。拾っていると「どんぐりの目」になってきて、遠くからでもいいどんぐりがどこにあるか気づくようになる。次男氏にもどんぐりの目が備わってきて、巨大で美しい産毛が生えたやつを次々と袋に入れている。楽しい。これが無料で楽しめる公園って最高だ。


途中で長男氏がぷっちょを地面にばら撒き、銀紙につつまれたそれらも拾う。そして拾った側から食べていた。リスみたいだと思った。


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